皆さんは「ラップ子育て」という言葉をご存知でしょうか?
最近、アメリカの経済紙などでも取り上げられている概念で「ラップで子どもを包み込むような、過保護な子育てスタイル」を指す言葉だそうです。
英語圏では他にも頭上をホバリングするように子どもの生活を監視する「ヘリコプターペアレント」
デンマーク発祥の言葉には氷上のストーンの進路をブラシでならすように子どもの道もならしてしまう「カーリングペアレント」というのもあるようです。
このように海外では様々な言葉で過保護や過干渉な子育てについて警鐘がならされています。もちろん日本でも例外ではありません。
ちなみに過保護とは「子どもが望む事を失敗しないように全てやってあげる行為」で過干渉とは「子どもが望むかどうかにかかわらず、親自身が望むことを子どもにやらせる行為」であると言われています。
いずれも、本来は子ども自身が選び、苦難があっても子ども自身の力で乗り越えていかなければいけない事を親が肩代わりしてしまう子育てだと言われます。
例えば
「うちの子どもは○○が苦手だから○○をやらせないorやらせないでほしい」
よく、書籍や記事などで見かけるこの文言ですが、皆さんはこの文言を見た際にどのように感じましたか?
「苦手だからやらせなくていい」「得意な事をやらせよう」「苦手な事にも頑張ってほしい」「失敗体験をしてほしくない」
など、皆さんそれぞれ違った感想や思いが生まれたかと思います。
ここで大事になってくるのは「子どもの思いを聞いたのか?」になります
例題の「うちの子どもは○○が苦手だから○○をやらせないorやらせないでほしい」はあくまでも親である大人からの主観になります。
子ども自身が「本当に苦手なのか」「苦手そうに見えて実は好き」「本当に苦手でやりたくない」などそういった子ども自身の意見は尊重されていません。
ただ一方的に親である大人が「きっとこの子は○○が苦手で嫌いだからやらせるのは可哀想」と思っているだけで、子ども自身は案外「難しいけど○○って楽しいな」と思っているかもしれません。
なので、しっかりと子どもの思いを聞き、それを踏まえた上で、親として子どもに手助けする事が重要になります。
子どもと一緒にどうすればいいかを一緒に考えるのはとても良い事です。
しかし、その時に出た解決策が「子どものその場の感情」や「子どもに失敗させたくないという親の感情」が優先になってしまうと。いい結果を生まないどころか逆効果になってしまう事もあります。
子どもたちにとって、親がちゃんと話を聞いてくれる、苦手な事があっても否定されないという事は家庭への安心感に繋がります。この安定感が無いと自己肯定感が育まれなかったり、不安定になったりしてしまいます。
なので、ここでの親のバランス感が重要になります。
子どもの話は聞き、頭から否定はしないが、全てを鵜吞みにして物事を判断しないこと、子どもにとっては多少苦しい事、辛い事があっても安心して過ごせる家があれば、はねのける力はしっかりと育まれていきます。
子育てをするにあたり「子育ては保護者のみが責任を負うもの」という自己責任論や「子どもの学力や進路によって親の実力が判断される」という偏差値至上主義の上で成り立つマウントなどが、過保護や過干渉を引き起こす要因だと考えられています。
改めて、子育てというものは親が一人で行うものではなく「家庭や学校だけでなく。地域の人など様々な大人で育てる」という事を忘れないでください。
親自身が、他者と関わりながら子育てをするという感覚が無ければ知らず知らずのうちに過保護や過干渉になってしまいがちです。
それぞれの親が子育てに対して様々な悩み、不安、喜び、願いを持っているかと思います。
あんあんClass厚別中央ルームはそんなご家庭の皆様をいつも応援させて頂いています。
子育てについて何か気になる事があれば、一人で抱え込まず、ぜひお気軽にご相談ください。